CLチャンピオンズリーグ準決勝バルセロナと対戦するバイエルンのグアルディオラ監督ってどんな人??

サッカーコラム
この記事は約6分で読めます。

チャンピオンズリーグ(以下CL)は現地時間12日(以下現地時間)から、準決勝セカンドレグが行なわれる。バイエルン(ドイツ)は13日、実現すれば同大会史上2チーム目となる“奇跡”をねらう。

CL23年の歴史において、ファーストレグでの3点差をひっくり返してラウンドを突破した例は、2003-04シーズンのデポルティーボ(スペイン)のみ。同チームは準々決勝でミラン(イタリア)と対戦し、アウェイでのファーストレグで1対4と大敗しながらも、ホームで4対0と勝利し、“奇跡”を起こした。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150512-00000014-ism-socc

 

ベップことグアルディオラの選手時代

現在バイエルンの監督であるベップ・グアルディオラとスペインの名門バルセロナの間には深い「絆」と長い「歴史」がある。

ベップことグアルディオラはバルセロナの

下部組織ラ・マシアに13才で入団し選手としてのキャリアをスタートする。

(これは現在バルセロナのエースであるリオネル・メッシも下部組織出身)

2ac55597

19才になるとトップチームに試合に出場。

オランダ代表のクライフが監督をやっていたこの時のチームは

「ドリームチーム」と言われ、ベップはまさにドリームの核となる

中盤のボランチとして不動の地位を築いていった。

リーガ・エスパニョーラ  優勝4回

コパ・デル・レイ  優勝1回

UFFAチャピオンズカップ  優勝1回

UFFAカップウィナーズカップ  優勝1回

スーペルコパ・デ・エスパーニャ  優勝3回

クライフは約8年間で10個ものタイトルをバルセロナにもたらした。

チームとしては今のレアルマドリードのような選手層でありながら、

クライフの提唱するオランダのトータルフットボールサッカーを

戦術として取り入れており、決して「個」で打開するようなチームではなかった。

このトータルフットボールがクライフバルサの基礎となり、

ゆくゆくはベップの最強バルサの元となる。

デビューから数えて公式戦8試合目のことだった。相変わらずの痩身で、見た目の威圧感はゼロの20歳。それがエウセビオら国内の先輩だけでなく、オランダ代表やPSVで欧州王座についた経験を持つロナルド・クーマンにさえ指示を出し始めたのだ。

ベップはこの時すでに年上の選手に指示をだしていたというから驚きである。

監督の才はデビューした時すでにあったということだろうか。

 

バルセロナを退団へ

クライフが去り、やがて「ドリームチーム」も崩壊。

その後はリバウド、フィーゴなどの新しい選手と新監督ルイス・ファン・ハール(現マンチェスターユナイテッド監督)

が招へいされ、グアルディオラもスタメンを外されることがなく、試合に出続けた。

2001年イタリアのセリエAブレシアへと移籍。17年間在籍したバルセロナに別れを告げた。

その後、メキシコリーグのチームに移籍し2006年に現役を引退する。

 

グアルディオラの「新ドリームチーム」誕生へ

2008-2009年シーズンついにベップがバルセロナの監督へと就任する。

現役引退後はバルセロナBという2部のチームで監督をやっており、

このシーズンからトップチームに昇格した。

就任早々ベップはバルセロナの大改革を行う。

主力であった元ブラジル代表で

現在も現役のロナウジーニョと

カメルーン代表で現在はセリエAのサンプドリア所属のサミュエル・エトー等を放出し、

以後は下部組織出身の選手でチームを構成していく方針にすると断言した。

私はなぜかこの時のベップに

「アップル」の創始者「スティーブ・ジョブズ」が重なった。

まさしく「血の入れ替え」を行ったベップバルサは

就任1年目にして

リーガ、

チャンピオンズリーグ、

コパ・デル・レイの優勝で3冠を達成。


CL決勝ではアレックス・ファーガソン率いるマンチェスターユナイテッドと対戦。

マンチェスターには現在のレアルマドリードのエース

クリスティアーノ・ロナウドが在籍していたが、完封勝ちだった。
主に活躍した選手が、
リオネル・メッシ、

アンドレス・イニエスタ、

ジェラール・ピケ、

セルジ・ブスケッツ

などの若いカンテラ(バルセロナの下部組織)の選手たちだった。

この時メッシは22才でありながらロナウジーニョの背番号10番を引き継ぎ、

バルセロナのエースとなっていた。

ちなみに動画のなかで1点目のゴールを決めたサミュエル・エトーは

放出候補だったにも関わらず、残留しチームのタイトル制覇に貢献している。

グアルディオラはバルセロナに在籍した4年間で14のタイトルを獲得した。

これは先のクライフを凌ぐ数字であり、事実上ベップが

バルセロナで最も多くのタイトルをとったということになる。

タイトルを多く取れた背景にはクライフの存在があった。

彼が提唱したトータルフットボールのスタイルをベップが改良し、

これを用いて低迷するバルセロナを「新ドリームチーム」へと変貌させた。

つまりバルセロナの長い歴史の中で、

現時点での最高成績を収めた監督はグアルディオラということなのだ。

今のバルセロナの戦術はクライフのトータルフットボールを

ベップが改良したのが核になっている。監督が代わってもボール支配率で圧倒し、

「相手にボールを渡さなければ負けることはない」というスタンスは変わっていない。

 

クライフはベップをこう賞賛している。

 

「グアルディオラが本当に際立っている点は、彼は自分のサッカーのスタイルをチームに強制しないということだ。彼は何がチームにとってベストであるかを分析し、細かい部分をよく利用した上で、それを通してチームを可能な限り大きな成功へと導いていく」

クライフ氏:「ペップはモウリーニョより上」 | ゲキサカ
バルサの後輩を称賛 ヨハン・クライフ氏は、バルセロナで自身が指導した選手でもあったジョゼップ・グアルディオラ監督を称賛し、ジョゼ・モウリーニョ監督よりも優れた指揮官だと主張している。 それぞれバル...

 

自分の作り上げた最強チームを倒せるのか?

バルセロナの監督を退任し、新たにベップが選んだチームはドイツのバイエルンだった。

今シーズンのバイエルンは国内リーグを制覇しチャピオンズリーグは準決勝までコマを進めた。

対戦相手はバルセロナ・・・

こんなケースは日本のJリーグでは考えられないだろう。

例えればドルトムントの香川真司が20年後引退してセレッソ大阪の監督になり、

天皇杯、ナビスコ杯、リーグを

3年に渡って3冠し9つ取って退任。

その後別のチームの監督に就任し、対戦するようなものだ。

現在も自分が育てた選手が中心である自ら作り上げた「ドリームチーム」相手に

ファーストレグは3-0の大敗だったが、逆転の可能性はあるとベップは自信満々だ。

もし仮に「新ドリームチーム」である今の最強バルセロナを倒したら

グアルディオラはどこへ向かうのだろうか。答えは彼のみぞ知るということなのだろう。

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました