香川真司のドルトムントと日本代表の2015年をデータで振り返ってみると
日本代表2015
4ゴール
ドルトムント2014-2015
リーグ戦5ゴール
ドルトムント2015-2016
リーグ戦3ゴール
と日本代表よりもゴール数は多くもちろんアシスト数でもはるかにドルトムントのほうが多い。
さらに調子の悪かった昨シーズンのドルトムントよりも日本代表でのゴール数のほうが少なく、ほとんどの試合がレベルの低いアジア相手だったのにゴール数は少ないのだ。
今シーズンはカップ戦を含めるとこれ以上のゴール数をマークしており、おそらくこの調子なら二桁得点もいくだろう。
ミランの本田圭佑とは真逆でクラブで結果を出しているが
日本代表ではまるで輝いていない。
毎試合点を取っているのは香川でなく本田であることも謎である。
日本代表で輝けないのは周りのレベルがドルトムントよりも低いから?
なぜドルトムントで今季絶好調の香川真司が日本代表でゴールを奪えないのか?
それは簡単なことで
ドルトムントよりも日本代表のメンバーのレベルが低く香川をサポートできていないからである。
「僕ら(代表選手の)一人ひとりがドルトムントの個々のレベルに達していないのが、正直なところ。ドルトムントの選手たちは個人能力がすごく高くて、1人でマークをはがす能力があったり、フリーになったり、数的優位を作ったりすることができる。真司を代表で生かしきれないのは、僕ら周りの責任でもある。彼自身もギャップがあって難しいと思います」
http://paninifootballleague.com/worldsoccer?wsid=36590
このことはチームメイトであるインテル所属の長友佑都が証言していることから間違いないだろう。
香川はクオリティが高い選手であるが周りのサポートがあって初めて真価を発揮する選手であり、当然周りの選手の個々のレベルが低ければ香川を生かすことなどできない。
元日本代表10番中村俊輔が語る香川真司が生かされていない理由とは?
「ドルトムントだと、香川の周りにいるダブルボランチや前線の3人の誰かの近くに寄ってきて、ポンポンポンってボールが回るし、ゴールまで一気に持っていける。その連動性はちょっとレベルが高すぎる」
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川崎フロンターレとドルトムントの親善試合ではあまりにも差がありすぎた
これがわかるのはブンデスリーガが開幕する直前に日本で行われた川崎フロンターレとドルトムントの親善試合である。
ドルトムントはこの試合0-6という大差で川崎フロンターレを粉砕した。
しかも長距離移動で疲れているはずなのにアウェーで6ゴールを奪ったのである。
試合内容もドルトムントが圧倒的で常にゲームを支配し川崎フロンターレに隙を作らせなかった。
川崎フロンターレはJリーグでは常に上位におり、大久保嘉人という3年連続J1得点王がいるチームだ。
そんなフロンターレが万全じゃないドルトムントに手も足も出なかったのである。
これは明らかにチームに在籍している選手個々の能力の差が違い過ぎたといえる。
俊輔が言っているようにゴール前までボールを持っていくのはホントにスムーズだった。
中村俊輔と香川真司はそもそもタイプが違う
「香川は『点を取らなきゃいけない』って考えるだけじゃなくて、『ゲームも作らなきゃいけない』と思って、チームの土台の部分も頑張って作っている。だから目立たない試合もあるし、得点が入らない試合も出てきちゃう。俺なんかはゲームを組み立てて支配するタイプだったから、『まあまあ動いて、アシストして、FKで目立ってるな』って評価になる。
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香川真司と中村俊輔は同じ10番だが選手の性質的には全く異なる。
俊輔はゲームメイクをしゲームを組み立てるタイプで
香川は狭いスペースの中からゴールを奪うシャドーストライカーに近い。
同じトップ下だがまるでタイプが違うのだ。
日本代表における香川真司は俊輔の言うようにゲームメイクをすることに終始する場面も多々あり
そうなるとゴール数は他の選手よりもどうしても少なくなってしまう。
中村俊輔のときは2トップしかし今の日本代表は1トップ
「今の代表って1トップでしょ。俺がやってた時は2トップだったから、自分がボールをもらってパッと顔を上げて前を見た時は2トップを生かせばよかった。今だとサイドに1人、前に1人しかいないから、得点をダイレクトにお膳立てできるチャンスはどうしても減る。香川も近くの誰かと連動しようとしてるんだけど、2人だけの関係で終わってることが多いように見える」
中村俊輔「香川はやることが多すぎる」…日本代表・背番号10を生かすアドバイス | サッカーキング1月のアジアカップでベスト8敗退に終わったことを皮切りに、試練の続いた2015年の日本代表。年内最終戦となった11月17日の2018年ロシア・ワールドカップ ···
2006年ジーコジャパン 日本代表フォーメーション
2015年ハリルジャパン 日本代表フォーメーション
俊輔は香川が代表で苦しんでいる背景には今のフォーメーションにも問題があると指摘。
2006年ジーコジャパンの時には俊輔がトップ下で前にFW2人がいて両サイドにも1人ずついるので今の日本代表よりも攻撃の人数は多い。
もし仮にハリルホジッチが2トップを採用すれば香川の負担は軽減するのかもしれない。
しかも俊輔の時代には駒野と三都主アレサンドロというクロスのスペシャリストがいたからサイド攻撃も今より質が高かった。
だが今はサイドバックが前線に上がってくるがクロスがいまいちでゴールに結びついていない。
香川のトップ下を生かした選手選考、戦術変更を監督がしなければ香川が代表で輝く日は永遠にやってこないのかもしれない。
それでも香川真司は中村俊輔と同じくらいゴールを奪っている
「それでも香川はすでに代表で23点取ってるでしょ。この数字に彼の活躍ぶりが表れている。そのことは忘れちゃいけない」
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中村俊輔の日本代表での通算ゴール数は24
対して香川真司は23ゴールをマークしている。
あと2ゴールで先輩である俊輔のゴール数を超えることになるのだ。
日本代表での香川真司の起用法をハリルホジッチは改めて考えるべき
ザッケローニ時代に香川はトップ下ではなくサイドで使われていた。
しかし2015年になるとアギーレに監督が代わり、やや中央よりのインサイドハーフで起用され、ハリルホジッチが就任するとトップ下でプレーするようになった。
念願のトップ下でプレーすることになった香川だったが2015年の日本代表で爆発的にゴール数が多くなったかといえばそうではない。
対してドルトムントでは香川の得点率は昨シーズンよりも増加傾向にある。
所属クラブで調子がいい香川が日本代表で点が取れないのはもう代表のシステムに問題があると言わざるを得ない。
香川のトップ下配置を見直しザッケローニ時代のようにサイドで使うか2トップにし香川をセカンドトップにするほうが得点率は上がるのではないだろうか。
実際不慣れなサイドで使われていたが、気がつけば俊輔に並ぶほどのゴール数をマークしていた。
あながちザッケローニのサイド起用は間違いではなかったというよりも
俊輔が言ったようにトップ下での香川はいろいろな役割を担わなければならないのでサイドで使うしかなかったというのが正しいのかもしれない。
それか一番点を取っている本田圭佑を1トップにし香川をトップ下に置いて縦関係を構築させるのも1つの手だろう。
いずれにしてもハリルホジッチにはこの俊輔の言った香川を生かすこのアドバイスをちゃんと聞いて改めてその起用法について考えてもらいたいところだ。
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