東京ヴェルディの監督だったオズワルド・アルディレスが15才でJリーグデビューさせる
2004年の東京ヴェルディで史上最年少15才でプロデビューした少年がいた。
そう、元日本代表の森本貴幸である。
彼は「和製ロナウド」と呼ばれ日本サッカー界を震撼させた。
当時のヴェルディの監督は元アルゼンチン代表でワールドカップ優勝メンバーであり、トッテナムやパリ・サンジェルマンで活躍した
オズワルド・アルディレスである。
Jリーグの清水エスパルスと横浜F・マリノスを指揮した経験を持ちヴェルディは自身が率いる3つめのJリーグクラブだった。
そのアルディレスに才能を見いだされ15才でデビューした森本はその年のJリーグ最優秀新人賞を獲得した。
セリエAのカターニャでイタリアを震撼させる活躍をみせる
18才でセリエAカターニャ移籍
天才日本人FW森本貴幸は2006年18才という若さで、イタリアのセリエAに所属するカターニャに移籍する。
2007年にはセリエA初ゴールを決めた。これは日本人最年少ゴール記録である。
2008年には強豪ローマから2得点さらに2009年にはユベントスからもゴールを奪った。
ユベントスからゴールを奪ったのはローマやフィオレンティーナで活躍した元日本代表中田英寿と森本貴幸の2人だけである。
彼はカターニャに在籍中にこうコメントしていた。
「僕の頭の中はカターニャで一杯だ。だけど、(アレックス・)ファーガソンを尊敬しているし、夢はマンチェスター・ユナイテッドでプレーすることだ」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151103-00010007-soccermzw-socc
順調に森本はセリエAでの名声を高めていったが、2010年になると新加入選手にポジションをはく奪され徐々に出場機会が減少してしまう。
ノヴァーラへと移籍
森本は2011年同じくセリエAに籍を置くノヴァーラへと移籍。
ここで更なる活躍が期待されたがシーズン中に怪我をしてしまい、調子を落としてしまう。
ノヴァーラでは18試合でリーグ4ゴールしか決められず、2012年カターニャに復帰する。
古巣カターニャでもう一度あの頃の輝きを取り戻そうと努力するが、なかなか思うようにいかず怪我と戦う日々を過ごす。
日本代表浦和レッズの槙野に獲得オファーが来た中東アルナスルへ移籍
カターニャで復活できなかった森本は2013年にイタリア代表やインテルで活躍したGKゼンガ率いるアルナスルへと移籍する。
ゼンガはカターニャ時代の監督でもあった。
アルナスルはACL(AFCチャンピオンズリーグ)にも出場経験もあるサウジアラビアの強豪で
2015年の9月には浦和レッズに所属する日本代表のDF槙野智章に獲得オファーを出したクラブである。
森本は移籍したシーズンで13試合出場6ゴールを決める。
日本代表での森本貴幸
北京オリンピックのメンバーに選ばれるも
2008年に森本は北京オリンピック代表メンバーに選出される。
しかし日本はグループリーグ3試合で全敗し、敗退。森本は1ゴールも決めることができなかった。
南アフリカワールドカップメンバーに選出
2010年南アフリカワールドカップのメンバーに森本がFWとして選出される。
日本代表は自国開催以外で初めてベスト16に進出したが、森本に出番はなくただベンチで戦況をみつめるだけであった。
森本貴幸のプレースタイル
森本貴幸のプレースタイルは古典的である。
古典的というのはつまり1世代前のストライカーのことでかつてのインザーギのようにゴールしか頭にないエゴイストな選手のことだ。
ゴールしか考えていないのは理想的なストライカーと思われがちだが現代のフットボールではそうはいかない。
CFは他のこともきっちりやらないと監督には使ってもらえないのだ。ゴールが仕事だったCFは専門職から総合職へとなりつつある。
攻撃の起点になるよう前線でボールをキープしたり、相手CBにプレッシャーをかけディフェンスしたりとやることはたくさんあるのだ。
そんな万能型のFWが増えた昨今において森本は異質であった。
もしかしたら常にゴールを目指したプレースタイルだからこそセリエAであれだけの活躍ができたのかもしれない。
現在はj2ジェフユナイテッド千葉に在籍し、チームはj1昇格プレーオフ圏内の順位に
2013年の夏に森本は海外での挑戦を断念し日本に戻ることを決意。
セリエAで活躍した男が選んだクラブはJ1のクラブではなくJ2のジェフユナイテッド千葉であった。
2015年の現在ジェフユナイテッド千葉は勝ち点57で6位につけており、j1昇格プレーオフ圏内につけている。
森本は今シーズン26試合で5ゴールと少し物足りない印象だが、ここぞという大一番では自ら得点しJ1昇格への切符を手にしてほしいところだ。
来シーズン千葉が昇格すれば森本はJ1の舞台でプレーすることになる。
そこで活躍すれば日本代表復帰への道も開けるだろう。
ゴールだけを追い求める彼のプレースタイルは今の日本代表にはない「エゴ」な部分があり、個人的にはすごく好きである。
まだ27才の森本が日本代表のユニフォームを着て再び活躍する姿がみられることを期待したい。
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