開幕から好調を維持し、充実のナポリが冬の王者に輝いた前半戦のセリエA。
近年を稀に見る混戦の上位争いの中、いつもと違うシーズンを期待させ、折り返しを迎えた。
しかしながら、折り返し以降のインテルとローマの不調により、
首位ナポリと2位ユヴェントスの2チームに優勝争いは絞られた感がある。
今回はそんな展開で後半戦に突入するセリエAで注目すべき、前半戦のブレイクした選手を
紹介していこう。
①【MF】ヤクブ・ヤンクト(ウディネーゼ所属)
かつてネドヴェドやロシツキーを輩出したチェコ期待の21歳の若武者。
主に攻撃的なポジションでプレー、中央やサイドでもプレーできる戦術的柔軟性を持ち、
得意のドリブルや強烈且つ精度の高い左足で相手の脅威になる。
チェコのレジェンドであるパヴェル・ネドヴェド(現ユヴェントス副会長)が、自身の後継者に
指名する程のポテンシャルを持った選手。
序盤の不振に苦しむチームを引っ張ったチェコのホープは、
今やユヴェントスやアーセナルが獲得を狙うほどに。
若き指揮官オッドを招聘し不振から抜け出しつつあるウディネーゼ。
ヤンクトは巻き返しの更なる助けとなれるのか。
②【MF】ブライアン・クリスタンテ(アタランタ所属)
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昨シーズンにセリエAに旋風を巻き起こしたアタランタのニュースター。
柔らかいボールタッチと精度の高いパスでゲームを展開させ、献身的に動き回りボールを引き出し自らゴールを奪う。
長身でハイボールにも強いのも魅力だ。
得点力も高く、中盤だけでなく3トップの一角としてもプレーでき、
すでに今シーズンのセリエAではイリチッチに次ぐチーム2位となる6ゴールを挙げている。
かつてミランのプリマヴェーラ(下部組織)からトップチームに昇格したことのある将来を期待された選手だけに今後の更なる飛躍に期待したい。
ELとセリエAの両立が心配されたアタランタだったが、クリスタンテの活躍もあり、セリエA8位、
ELはグループリーグを首位で通過し、決勝T1回戦では香川真司のドルトムントと激突する。
香川に加え、アタランタのクリスタンテにも注目していただきたい。
④【MF】パオロ・ファラゴー(カリアリ所属)
下位に沈むカリアリにおいて奮闘する数少ない選手の一人。
開幕当初はほぼ無名の若手選手で、バックアッパーの域を出なかったが、
第9節のクラブOBのロペスへの監督交代に伴う、システム変更を機に中盤から右WBにコンバート。
すると瞬く間に潜在能力が開花。持ち前の攻撃力を武器に右サイドを躍動し、
左サイドのパドインとともに積極的に攻撃に絡み、チームの新たな攻撃のオプションとなった。
その活躍はオランダ代表としての実績がる、ファン・デルヴィールをベンチに追いやる程だ。
課題の守備力を磨けば、プレーの幅も広がりイタリア代表入りも見えてくるだろう。
④【FW】シモーネ・ヴェルディ(ボローニャ所属)
ミランの下部組織出身で、最近は1試合中で左右両足でFKを決めたプレーヤーとして注目を浴びた。
かつてミランの下部組織の最高傑作と言われていただけに、高い技術を持っており、
チャンスメイクとフィニッシュの両面で決定的な働きができる。
特に切れ味鋭いドリブル突破からのシュートとFKは、どちらの足で蹴るのかを読みづらく、
相手GKとDFにとっては非常に厄介な存在だ。
今シーズンは特に決定的なプレーが多く、現時点でゴール・アシストともにチームトップ。
特にアシストは8とセリエAのアシストランキングもトップを走る。
先のロシアW杯予選では不甲斐ないプレーに終始し、予選敗退の苦杯を舐めただけに
ビッグクラブへの移籍や今後の代表定着のためにも、今シーズンにかける思いは人一倍強いだろう。
誰がセリエA中堅クラブからビッグクラブへのステップアップを果たすのか
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他にもキエーボのロベルト・イングレーゼ(FW)やサンプドリアのルーカス・トレイラ(MF)など
伸びしろのある若手がブレイクを遂げ、新しいタレントが次々と輩出される今シーズンのセリエA。
優勝争いやCL出場権争いだけでなく、どの選手が名を上げ、ステップアップを果たすのか。
後半戦も目が離せない。
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